2012年11月30日金曜日

2012.11.30

12月末に台湾に移住するので部屋を引き払う準備をしなければならない。その第一歩として不動産屋で退去の手続きをする。
一ヶ月前に直接不動産屋に行かなければならないので、会社を午前だけ休んだ。
結局、朝のんびりし過ぎて午後の出社も大分遅れたが、今の勤務先は日本の会社とは思えないくらい時間にはルーズなので、電話一本入れればで嫌味を言わることもない。
不動産屋と退去の日の調整が済んだので、勤務先でもいつまで勤務するかも調整した。
実家にも日程を伝えるため電話したら、珍しく父が出た。
父親に日程を伝え、台湾に行く前に一度帰省するが、それは妹の都合に合わせると伝えた。妹が来年結婚するとかでその相手を紹介する何かをするらしいので母親から何度か帰って来いと要請があったのでそれに合わせという意味だ。しかし父は何も知らないという。
実はこの何も知らないという答えが、私の家族のちょっとした異常さを物語っている。
もしかしたら父は来年に結婚するという事も知らなかったかもしれない。父と妹はたっぷり17,8年はまともに口をきいていないだろう。妹は中学生になったくらいから思春期な感じで父と私を嫌いだしそれを今も続けているのだ。だから私もほとんど妹とは口をきかない。
子供のころはそれなりに仲が良かったが、成長するに従いウマが合わないのがわかり、今では同じ女から生まれた他人といった関係だ。(私も妹に結婚相手がいることは今年祖父が死んだ際に、母の実家で祖母との会話で何となく知った。)
父はあとから母からかけ直させるといって電話をきった。そして夜に母から電話があったので、父に伝えてないのか聞くと、まだはっきりしてないので伝えてないという。全く理解できず呆れて私も言葉を失った。唯一妹と会話ができる母親も妹がいないので詳細は完全に不明という。妹の秘密主義はどこかの独裁国家秘密警察なみで本人以外何もしらない。

とはいえやる事やって、何となくさっぱりして家に帰り、Skypeを立ち上げると女が烈火のごとく怒っていた。
理由は日本で作った女のメガネを送るのを忘れていたからだ。二日間送るのを忘れたと私のことなど二の次と、何度謝っても一時間くらい怒っているので最終的に喧嘩になったが、とにかく今日送ったんだから良いだろうと、どうにか収まった。どっと疲れた。
が、実のところ今日も朝は不動産屋のことで頭がいっぱいで送るのは忘れていた。明日送ろう。

2012年11月29日木曜日

最初に

私は山ノ下馳夫、訳があり(それは後で説明するが)台湾に移住することとなった。
暫くの間、起こったことを日記に書きとめようと思う。それをこのように公開するわけは、2つだ。
1つは継続しなければならないというプレッシャーを自分にかける為だ。
そして2つめは、テストだ。
ヤングガンという映画にこういういセリフがある『男は毎日自分をテストする』
私は台湾に移住をするが、仕事もクソもなくあちらに行かなければならない。数ヶ月死ぬ気で毎日を過ごさなければならない。
つまり一日一日をどう過ごしたかをその日の最後に日記に書くという作業で、その日のテストに合格したかどうかを判定しようというわけだ。それをまた公開することによって更にプレッシャーをかけようというのが、この日記を公開した主な理由だ。

日記をはじめる前に私が何故この住み慣れてきた東京を離れるかを説明しよう。理由は7年前、同じように私は台湾に向かった。その時の理由は留学のためだ。私は二年台湾で中国語を学び再び日本に戻り、東京で仕事を始めた。
しかし私は台湾に”女”を置いてきた。台湾で知り合った台湾人の女だ。
私が数カ月後に帰国することはお互いわかって別れることを前提に付き合い始めた。が、私と女は別れられなかった。帰国する少し前に、女がいずれ日本に行くといった。私は当時は結婚願望の欠片もなかったが、それを聞き腹をきめた。
私と女は取り敢えず未来に結婚することに同意した。そして近所のおしゃれ雑貨屋で指輪を買い、その時から精神的は結婚している関係となった。私は二年の留学生活で貯金はすっからかんだったので、それが精一杯だった。
そして五年がたった。何度か別れる危機はあったが5年がたった。
女の両親が身体を壊したこともあり女が日本に来るのはとても難しくなった。
私は考えた。台湾よりは日本で暮らしていたい。何で女はクズのような私を愛しているのか。台湾でやっていけるのか。私は何もない男だ。ウォシュレットがない生活にもどれるのか。女に愛されているのが唯一の価値だ。Amazonがない生活にもどれるのか。あの女以外に誰が私を愛してくれるのか。このしけたワンルームでDVDとゲームとアルコールとネットと読書だけを生きがいに死ぬのか。台湾に行ってもそれなりに後悔するだろうが、この女を失い一人で無機物だけを相手に老いていくのも後悔するだろう。
ふと思い出した、女が日本に遊びに来た時のことだ。コンビニでおにぎりが100円セールをしているのを知り、女は100円のおにぎりを買い、それを美味しい美味しいと食べている姿を。
そしてやっとわかった。このぬるま湯のような生活は全く無価値で、守る事の意味すら無いことを。